2017年5月2日火曜日

プロって弱みなんです

▶︎ ほぼ日の塾 発表の広場
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読み手として、生きること。
田中泰延 × 糸井重里
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「プロって弱みなんです」
(by.読み手として、生きること。第5回)





目からぽろりと鱗が落ちた。

やっぱりそうなんだ!って思った。



これまで人に「お仕事なにされてるんですか?」と聞かれて

「デザイナー」です。と答えると

「センスいいんでしょうね」といった返しをされることが多かった。

その瞬間、目には見えないけど、その人と私の間に

透明な壁が数センチできたような、そんな錯覚を毎回感じた。

それがとても嫌だし、変にプレッシャーだった。



センスよくて当たり前、器用であって当たり前、絵がうまくて当たり前。



当の本人は、、別にそんなこともないなぁ。

絵を描くことは得意でも立体は苦手とか、ヘアアレンジ苦手とか、

音楽めちゃめちゃ詳しい訳でもないし、毎日おしゃれな生活をしている(苦笑)訳でもない。

でもそんな「じぶん自身」を外に出しちゃダメな気がしてた。

だって私は「デザイナー」だもの。「デザイナー」として認めてもらいたいんだもの。

知らず知らず、強迫観念にも似た努力を続けてきて

じぶんの中の欠点(だと思うところ)を全て残らず消そうとしてた。





「プロって弱みなんです」





「プロ」と付くだけで

楽しい、と感じることより

正しい、ことを喋らなければいけないと思っていた。

好きなことを素直に好きだ、と言ってしまった時に

「デザイナーのくせにセンスないな」と思われやしないか。

居やしない誰かの目をずっと気にしてた。

つまり他人に、世間に合わせてきた。



他人や世間に合わせられるのがプロで

じぶんを貫けるのがアマチュアではないかな。

なら、

アマチュアでいいんやん?ってことなのよね。




センス とは、

ただおしゃれなんじゃなくて

ただ洗練されていることだけなんじゃなくて

その人自身。

その人の感性。

な はず なのに



「私のダサい感性など、誰も認めてくれるはずがない」



じぶんでじぶんを認められなかった。





今も完全に認められたか、といえば そうでもないんやけど

いい加減、もうどう思われてもいいや。と思ってきたかも。







私には時間がない。

お子を産んで

産む前と比べてとても忙しくなった。

でもデザインすることは好きで

これからも携わっていたいのは確かなんだ。

呪いにかかっている暇は

もうないと思う。




このコラムに出会えてよかった。

なんだかやっと、クサリで雁字搦めにされた体の

腕が一本

するりと外れたような気がして

ようやく少し

楽になった。



「アマチュア」であること

「ご近所の人気者」を目指すわ。






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