2013年11月3日日曜日

11月3日 ほぼ日刊イトイ新聞より


スーパーマンやスーパーウーマンになりたがらないこと。
 
 なぜならば、なれないのだから。
 人間にはなれないから、スーパーマンなのだから。
 「妻であり、母であり、女優である」
 というような言い方をよく見かけたけれど、
 そのすべてをうまくやれるようなことは、
 ふつうの人の、ふつうの才能や努力では無理だと思う。
 とても簡単に考えても、そのうちのひとつだけでも
 見事にやることなど、なかなかできるものではない。
 
 昔の女は、掃除、洗濯、料理、育児、近所付き合いと、
 すべてを上手にやっていたかのような「伝説」があるが、
 それを、ほんとにやれていた女性がいたとしたら、
 その境遇はたぶん、
 いまで言う「ブラック企業」の労働条件よりも、
 もっとひどいことになっていたことだろう。

 ぬか漬けの世話なども含みつつの三度の食事から、
 すべての部屋の掃除や片づけから、
 毎日の洗濯ものを洗って干して畳んで整頓すること、
 欲を言えば編みものもして、洋服も縫って、
 お菓子をつくって、こどもと遊んで宿題みてやって、
 夫の愚痴を聞いて、ニュースを知り理解して、
 趣味のいい小説を読んで、映画のことも語り、
 ブランドについてだって「知らない」わけじゃなくて、
 筆まめに手紙を書いて、家計簿をつけてて、
 なんだったら仕事もしていてボランティアもしてる
 ‥‥というようなことが、
 「できている人がいる」という幻の前提で、
 「女性雑誌」というものはつくられてきた。
 新聞でもテレビ番組でも、それをつくってる女性が、
 そんなことできてないというのが真実だろう。
 男のほうについても、同じことだ。
 
 なにかはできてて、なにかはできてない。
 それが当たり前のことだと、ちゃんと思ったほうがいい。
 スーパーマンも、ウーマンもいないのだ。
 「なんでもしっかりできてる男性や女性」が、
 どこかにいるとしても、それは、みんな、忘れていいよ。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
こころをこめて、少ないことをする。それでいいよねー。 



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大切な文章だと思ったので、
ここにコピペさせて頂きました。

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